作家訪問 ”ココチ舎”

2018/10/16
by Tsuda Ryo

小さなこぶのような山々に囲まれた丹波。
私達が訪れた時期は秋も中頃で、キレイな
稲や黒豆畑が広がっていました。丹波地方は
もともと作物がよく育つ肥えた土があり
とても美味しい作物が育つそう。天下一品
の黒豆はもちろん、丹波栗や松茸など
美味しそうな物があちこちに売られています。

そんな丹波なのですが、焼き物の産地としても
とても有名。日本一長い登り窯があったり、
窯ごとにしっかりとした直営店が併設されて
いたり、こんな規模感の大きい産地は初めて
でした。

ココチ舎さんは丹波焼エリアの南の方に位置
し、お店は作家の市野さんの奥さんが
切り盛りしています。作風が可愛かったり
色がとてもきれいなインディゴだったりするので
奥さんがお店に立っていると作家に間違われる
ことが多々あるみたい。笑。そんな冗談を
交えながらココチ舎さんのことを話してくれる
お二人はとても柔らかく優しい雰囲気。

市野さんの家族はお祖父さんから窯をもたれて、
お祖父さん、お父さん、市野さん、三人共
別々の窯を丹波に持たれているという陶芸の
サラブレットのような家系。実は市野さんの
息子さんも陶芸家で今は愛媛で作陶されている
というからびっくりしました。

「陶芸も伝え、受け継がれていくもの。だから、
僕の作品も若い人にいいなと思ってもらって
使ってもらえたら次の世代にまた伝わるよね。」
小さい頃から陶芸が身近にあって、代々伝えて
きたものがある市野さんならではの考えだなと
思いました。

もう一つ、ココチ舎さんの作陶で気をつけている
こと、それは料理の器としての陶器だけでなく、
料理をする道具としての陶器作り。飛び散らない
すり鉢は深めに作ってあって、ごまが弾け飛ば
ない。土鍋もしっかりと伊賀の土を使った本格派。
切れ味鋭い垂れない醤油差し、どれをとっても
料理をするときのかゆいところをしっかりと
カバーしてくれています。料理上手な奥さんが
いるからこういうアイディアも浮かぶんだろうな
と勝手な想像を膨らませてしまいました。
また、美味しいものが盛りだくさんの丹波で
生まれ育ったからこそ、食べ物を美味しく
いただくということに寄り添っているような
気がしました。